私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「酷いなぁ。攻撃するつもり?」
「な、なんのこと?」
「魔術の才能がない弟と、一緒にしないでほしいな……。今の僕に、不可能はないよ」
「何を言っているの? 天才魔術師の私に勝てる人間なんか、いないんだから!」
「それはどうかな」
「きゃ……っ」

 地べたへ寝転んでいたのが、完全に仇となった。
 私の上に覆い被さってきたアルベールはそのまま四肢を拘束して、歪な笑みを浮かべる。

「な、何……」
「僕は男だよ。その気になれば、か弱いエルネットなんていくらでも組み伏せられる……」
「それも、レオドールから聞いた……!」
「……君と許嫁のままだったら、エルネットの口から弟の名前が出てくることは、なかったのかな」

 彼は寂しそうに微笑むと、顔を近づけてきた。
 どうしてこの双子は、兄弟の名前を私が口にするのを嫌がるんだろう? 
 そんなところまで、似なくていいのに! 
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