私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ーーでも。
 最近はそこがレオドールの魅力なのかもとしれないと、考えを改めつつあった。

「どの面下げて、俺のエルネットに求婚している」
「違う! 横から奪い取ったのは、君じゃないか!」

 私がレオドールに対する評価を、変化させていれば。
 双子は兄弟喧嘩を始めてしまった。
 アルベールはいつだって、弟を諭す方だったのに……。
 こんなふうに自分の意見を主張するところは、初めて見た。

「後先考えず、同情心で彼女を手放したのは貴様だ」

 ーー容赦ないなぁ。

 アルベールのようにレオドールが優しければ、私を譲っていたのかもしれないが……。
 残念ながら、弟は異常なまでの執着愛をその身に秘めている化物のような男だった。
 気に食わない兄からそんな提案を受けたところで、納得するはずもない。

「俺は最初で最後のチャンスを、無駄にはしなかった。それだけだが」
「レオドール!」
「文句があるなら、直接言えばいいものを……」

 彼はゆっくりと私達の方へ振り返ると、床に腰を下ろした兄の姿を蔑んだ。
 その表情は、複雑そうに見えたが……。
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