私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「レオドール……」
「地獄で会おう」

 皇太子は抗う気力もないようだ。
 あっと言う間に、無抵抗で連行されて行った。

 ーーひとまず、命の危機は去ったけど……。
 残念ながら、まだ終わってはいないんだよね。

「エルネット」

 これから私は、多分めちゃくちゃ怒られるんだと思う。
 一応助けを求めたけど、一人では限界があったし……。
 こんな展開、想像すらしていなかったから。

 ――うぅ……。あいつと視線を合わせたくないよ……! 

 でも、逃げ続けてなんかいられない。
 覚悟を決めた私は、勢いよく言葉を吐き出しーー。

「わ、私は悪くないから……!」
「無事でよかった」

 怒らないでほしいと伝えれば。
 くしゃりと今にも泣き出しそうなほどに優しく目元を緩めた彼は、私を抱きしめた。

「心配いらない。もう二度と、あの男が貴様に言い寄ることはないだろう」
「そ、そう……?」
「なんだ。襲われたかったのか」

 まさかの展開に、目を丸くするしかない。
 この反応はレオドールにとっても不満だったようで、眉を顰めて嫌味を言われた。
 ぼーっとしていたら、本気で襲われそうだ。
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