私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「逃さない。何があっても、絶対に」
「物理的に鎖で繋がなくたって、離れていったりしないってば……」

 一体なんのために、私がこいつに好意を伝えたと思っているのだろうか……。

 ――はっ。まさか。私から好きって言葉を引き出すまで。
 この手錠プレイは、終わらないんじゃ……?

 うぅ。そっかぁ。それがレオドールの作戦か!
 なら、仕方ない。恥を忍んで、伝えるか……。

「私は生涯、レオドールだけを愛し抜くと誓いますー」
「やり直せ」
「なんでよ!」
「心が籠もってない」

 渋々望みどおりの言葉を紡げば、レオドールからクレームが来た。
 もう。ちゃんと伝えたんだから、上辺だけでもなんでもいいじゃん。
 細かいことを気にする男は、嫌われるぞ?

 ――なんて。彼を煽ったら、今よりも状況が悪くなるのは明らかだ。
 私はそう言いたい気持ちをぐっと堪え、戸惑いがちに愛の言葉を口にする。

「……好きだよ」
「もっと」
「……愛してる?」
「疑問形にするな」

 せっかくこっちが譲歩して、仕方なくもう二度と声に出す予定のなかった愛を、紡いでいるのに。
 容赦ない駄目出しを受け続けると、どうなるか?
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