私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「顔か、声か。性格か?」

 ーー軽い気持ちで普段どおりに挑発的な言葉投げかければ、命を奪われかねない危うさが滲み出ていた。

「俺でもいいだろう」

 失言をしてもっと激昂させるくらいなら黙っていたほうがいい。
 そう考えた私が、じっと唇を噛み締めて黙秘を貫いていれば。
 あいつの言動が、だんだんと怪しくなってきた。

「俺にしろ」

 押し売りが激しすぎるのも、問題だ。
 私が彼以外求めるつもりはないと言質が取れるまで、一生煩く騒ぎ立てるつもりなのだろうか? そんなの、非効率にも程がある。

「もう二度と、あの男に言い寄るな」

 あいつの苦悶に歪む表情を目にした私は、ようやくレオドールが勘違いを拗らせて暴走していると気づく。

 ーー普通に否定をするだけじゃ、きっと喧嘩になる。
 こいつが指摘されて、嫌な発言をしなきゃ。

「何それ。嫉妬してんの?」

 誰がつけ入る隙を、与えるもんか。
 怯える表情なんか、見せてやんない。

 そう自身を奮い立たせた私が小馬鹿にしたような笑みを心がけ、彼の本心を引き出そうと試みればーー。
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