私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「アルベール様はもう、わたしの婚約者なのに……!」

 ーーこんな状態ではアルベールを呼び捨てることすら、妹を不安がらせてしまいそうだ……。

 身体の弱いマリンヌは、精神的な負担が死に直結する。
 素の自分で接したら、何が彼女の体調を悪くするきっかけになるか、わかったものではない。

 ーーこの子を見習って、お淑やかに……。

 より一層発言に細心の注意を払いながら、私は誠心誠意謝罪をした。

「本当に、ごめんなさい。殿下はお優しい方だから。直接許嫁に解消を伝えなければと、躍起になっていたんだと思う。今はすごく、反省しているよ。軽率だったって……」

 これで落ち着いてくれたら、どんなによかったことか。
 彼女の瞳に溜っていた涙が、ポタポタと布団の上に溢れ落ちた。

「酷いです……。わたしには、殿下しかいないのに……」
「マリンヌ……。泣かないんで……」
「どうして意地悪、するんですか……?」

 ーーさて。これは果たして、妹に対する意地悪なのか?
 私はなぜそう称されるかわからず、唇を噛みしめる。

 どうして私の周りにいる人達は、どいつもこいつも話を聞けないの……?
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