私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「……レオドールの、わからず屋」

 私がこんなふうに、寝ても覚めてもあいつのことで頭がいっぱいになるのも。
 話をややこしくしているのも。
 全部、レオドールのせい。

「また俺の悪口か」

 ーー私の人生を無茶苦茶にした責任、取ってよ。
 そう口から溢れ出てしまいそうになった弱音は、声にならない。

「いい度胸だな」

 顔も見たくない相手が、魔法ラボに姿を見せたからだ。

 ーー窓から差し込む月夜に照らされて。
 銀髪がキラキラと、光り輝いている。

 そんな幻想的な姿に、惚けている場合ではない。

 今すぐ逃げなければと、頭ではよくわかっているのにーー。
 私は椅子に座ったまま、大嫌いなあいつを呆然と見上げているしかなかった。

「ここで何をしている」

 実家にはもう、帰れない。
 ラボも駄目なら、どこに行けばいいわけ?

 ――私には彼以外に頼れる人がいないと。
 この時になってようやく、気づいたからだ。

「あんたこそ。暇なの?」

 想像通りの問いかけをあいつから受けた私は、こうやって強がるのが精一杯。
 どうにかして非常識な時間にふらりと姿を見せたこいつを、追い返さなければ。
 そんな強い覚悟を抱いて、彼を睨みつけた。
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