私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「あんたと結婚するくらいなら、アルベールがいい……」
「エルネット。俺を見ろ」
「や、やだよ……」
「見るんだ」

 嫌だな。怒られたくない……。
 そんな気持ちで視線を逸しながら紡ぎ出した言葉に、レオドールはなぜか冷静に命じてきた。

 ーーなんで? いつもは怒り狂うじゃん。

 彼の行動が理解できず、私が命令に逆らい続けていると……。

「俺の気持ちから、目を背けるな」

 レオドールは怒気を孕んだ低い声で、はっきりと宣言した。
 ーーその言葉を耳にした私は、ぎゅっと胸が締めつけられるような……。
 不思議な感覚に陥る。

「だったら、なんで……。ずっと、私を遠ざけたの……?」

 私は瞳を潤ませながら、幼い頃に彼から言われた言葉を思い出す。

『一方的な気持ちの押しつけはありがた迷惑。私のやっていることは偽善者だ』

 そう言ったのは、レオドールの方なのに……。
 彼は昔の私と同じことをしているって、どうして気づけないだろう?
 これも、復讐の一環なの?
 私はこいつの気持ちが、全然理解できなくて……。
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