私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「俺はもう、ただの第二王子ではない。騎士団長として、確固たる地位と名誉を築き上げた。エルネットとの結婚には、誰にも文句は言わせない」

 彼は本気で、信じているのだろう。
 自分こそが、私を娶るに相応しい男だと。
 そのための実力も、身につけてきた。
 そう淡々と語るレオドールに、異論などあるわけがない。
 私はよく、知っていたから。彼が必死に、努力を続けていたのを……。

「これでもまだ、足りないのであれば……。悪魔に魂を売るしかないな」

 なんと言葉をかけていいのかわからず、口を噤んでいれば。
 レオドールは不穏な内容を口にした。
 それに驚いた私は、慌てて彼の背中へ視線を移す。

 ーー銀色の幻想的な光を放つ彼の魔力は、彼の意志に反応したせいか。
 鈍色の妖しい輝きを放っていた。

「何それ。黒魔術を習得するの?」
「そうだ」
「そんなの、無理に決まってる。あんたには、魔術を発動できるほどの魔力がない」
「そんなもの。エルネットに対する愛さえあれば、どうとでもなる」

 ――いや。愛の力でどうにかなれば、世の中は魔術師で溢れ返っているはずだし……。
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