私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 洒落にならない冗談は、やめてほしい。
 私は必死に彼が悪の道に引き摺り込まれないように、浄化魔術を使ってレオドールの魔力に纏わりついた穢れを払った。

「やめてよ。他人に迷惑をかけるとか……」
「ならば、俺を愛せ。拒絶せず、受け入れろ」
「いや、だから……」

 幼い頃からこれほど何度も、危うい状況に陥っているのだ。
 きっと彼は、黒魔術と相性のいい体質なのだろう。
 生まれ持った魔力量が多ければ、今頃悪名を轟かせていたかもしれない。

 ――怖いなぁ……。色んな意味で。

 黒魔術を軽々と解呪ができるのは、今の所私だけだし……。
 あんまり意地を張って拒否し続けていたら。
 こいつが本気で、悪の道に引き摺り込まれてしまう。

 でも、なぁ……。
 レオドールの愛を信じて、彼の妻になるのも嫌で……。

「なぜ、受け入れられないんだ。俺はこんなにも、君を想っているのに……」

 ーー長い押し問答の末。
 私が複雑な想いとどう折り合いをつけるべきか悩み、格闘していれば。
 こいつは苦しそうにそう呟いたきり、突然黙り込んでしまった。
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