私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「エルネット・トヨシーハは、アルベールの許嫁となることが決定した」
醜い心を持つ俺とは違って、あいつの心は清らかで。
あの時でさえも、俺に遠慮をする素振りを見せたのだ。
「そんな……! どうしていつも、僕なんですか? レオドールにも……!」
「優秀な魔術師となるであろう娘の夫は、王でなければならん」
「僕に何かあれば、レオドールが王になるんですよね!?」
「なんでもかんでも、弟に譲ろうとするな」
「ですが……!」
「よいか。黒魔術の解呪は、我が王族の悲願だ。必ず手中に収めよ。身も心も絡め取り、逃げられないようにするのだ」
「僕は……」
アルベールは優しい。
どちらかと言えば、母親によく似ていた。
そんなあいつにまだ見ぬ少女を虜にしろと命じたところで、実現できるかは怪しいものだ。
強欲で、嫉妬深く、醜い心を持つ父親によく似た俺なら――王が望むとおりに、その少女の手足を縛りつけ、二度と俺のそばから離れられないように監禁してやれるのに。
どうして俺は、あいつよりも先に産まれなかったのだろうか?
俺とあいつが逆であれば。
今頃、父親の機嫌を損ねることなく。
俺は嬉々としてその申し出を了承していただろう。
醜い心を持つ俺とは違って、あいつの心は清らかで。
あの時でさえも、俺に遠慮をする素振りを見せたのだ。
「そんな……! どうしていつも、僕なんですか? レオドールにも……!」
「優秀な魔術師となるであろう娘の夫は、王でなければならん」
「僕に何かあれば、レオドールが王になるんですよね!?」
「なんでもかんでも、弟に譲ろうとするな」
「ですが……!」
「よいか。黒魔術の解呪は、我が王族の悲願だ。必ず手中に収めよ。身も心も絡め取り、逃げられないようにするのだ」
「僕は……」
アルベールは優しい。
どちらかと言えば、母親によく似ていた。
そんなあいつにまだ見ぬ少女を虜にしろと命じたところで、実現できるかは怪しいものだ。
強欲で、嫉妬深く、醜い心を持つ父親によく似た俺なら――王が望むとおりに、その少女の手足を縛りつけ、二度と俺のそばから離れられないように監禁してやれるのに。
どうして俺は、あいつよりも先に産まれなかったのだろうか?
俺とあいつが逆であれば。
今頃、父親の機嫌を損ねることなく。
俺は嬉々としてその申し出を了承していただろう。