私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「そんなの……。僕にはできない……」
「泣き言を言うな!」
「ひ……っ。は、はい……。わかりました……」

 父親から怒鳴りつけられたアルベールは、悲鳴を上げると渋々王の命令を受け入れた。

 そこで俺ならできると話を振れないのなら、最初から異を唱えなければいいものを……。

 後先考えずにその場限りの対応しかできないあいつが皇太子で、なぜ俺は第二王子として誰にも求められず、いないものとして扱われなければならなかったのだろうか? 

 アルベールよりも早く、あの子の心を手に入れたら。
 俺は皇太子になれるだろうか?

 名前しか知らない、まだ見ぬ少女。
 エルネット・トヨシーハが、どんな性格をしていても構わない。
 俺の立場を改善させるには、あの子の存在が必要不可欠であるなら。

 何を犠牲にしても、あの子が欲しい――。

 こうして俺は、自分本位な欲望を胸に懐き――。
 あいつからエルネットを奪う機会を、窺っていた。
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