あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる

リゼルアは逃げられない

「でも、一回間違えるごとに蛙一匹ね」

ルナアークは爽やかに答える。
リゼルアは一瞬ドキッとしたが、内容は意地悪だ。

「そ、そうか。じゃっ、お邪魔虫は消えるわ」

ウィリーはついにリゼルアを助けられないと悟り、リゼルアを売ってしまう。エメリとの約束の時間が迫っていた。

もうリゼルアは逃げられない。

数時間後。

「きゃ―! きゃ―! きゃ――――!」

蛙まみれになったダンスホールで、リゼルアは叫ぶ。

「きゃ―無理、助けて――!」

淑女からほど遠い格好で、柱にしがみついて泣くリゼルア。

「リゼルア。本当に可愛いな」
「殿下、助けてくださいぃ」

様々な種類が放つ蛙の合唱の中で、ルナアークはリゼルアを柱から引き剥がしてお姫様抱っこをする。蛙を踏まないように避けながらダンスホールから脱出した。
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