あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる

目を瞑って

「ダンスがダメなところ、すぐ忘れるところ」
「短所パターンですね」
「触りたくなる肌、キスしたくなる唇」

ルナアークはリゼルアを物欲しそうにジッと見つめる。

「殿下……そんなに見つめたら恥ずかしいです」
「では、目を瞑って」

甘い展開を期待するリゼルア。

「目を開けて」
「んん?」

リゼルアが目を開けると蛙の仮面を着けていたルナアーク。

「きゃ――!」

わかっていても生理的に嫌いな生き物が目の前にいて、涙と悲鳴が出る。

「殿下のバカ!」
「あ、ひどーい」

少し高い声を出して、両手を口にあてて左右に揺れるルナアーク。

「なんですそれ。もしかして私の真似してます? 私そんなんじゃないですぅ」
「お、反撃のリゼルア」

蛙の仮面を外すルナアーク。
リゼルアは膨れっ面で肩を上げる。小さな身体で威嚇しているようだ。
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