あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる

もう怒りました

「リゼルア可愛い」
「もう誤魔化されません! 殿下もう怒りましたからね」

リゼルアは両手を腰に当てる。

「どうするの?」
「うっ、それは……」

リゼルアは怒ったと言い出したが、何をして良いかはよくわからない。自分がされて嫌な事は人にしたくない。それがリゼルアの常識だ。

ルナアークがじりじりと近づいて来る。
リゼルアもじりじりと逃げようとする。

「あっ、リゼルア! あそこに空飛ぶポメラニアンが!」
「え?」

リゼルアが指された方角を向くと、ルナアークに抱き締められる。

「捕まえた」
「ずるい」
「こんなので捕まるのはリゼルアくらいだよ。わざとかな?」
「……殿下、撫でてください」
「うん」

珍しくルナアークがリゼルアの言う事を素直にきく。

「殿下……私は苦しいです」
「意地悪される度に不安になるのだね。本当に好かれているのか自信がなくなるとか?」
「それもあるのですが。今、物理的にギュウギュウ締め付けられて苦しいです」
「あ……ごめん」
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