あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる

合言葉のハードル

学園の待合室。
意地悪されたり、慰められたりはするのに「たくさんお菓子食べよう」という合言葉を最近言わなくなったルナアーク。そう言えば、キスさえもご無沙汰だ。

イケナイ事を教え込まれて、リゼルアはルナアークに触れられる度に身体がゾクゾクしてしまうようになる。
今日も頭を撫でられ、慰められるけれど……。

「……殿下ぁ」
「うん。よしよし」

リゼルアは合言葉を言おうとして、紅潮しながらルナアークの服の裾をギュッと掴む。

「……お菓子」
「ああ、はい!」

リゼルアの口にクッキーを運ぶルナアーク。
それはそれで十分甘い出来事なのだが、リゼルアにはもうそれでは物足りない。

ルナアークの事だから絶対わざとやっているのに違いないのに。

リゼルアから合言葉を言うのはハードルが高かった。もし、ルナアークに飽きられていて断られでもしたら本当にショックだから。そうなったらもう立ち直れない。

「今食べた蛙型のクッキー、美味しい?」
「もう、何でそんなに意地悪なのですか」
< 24 / 25 >

この作品をシェア

pagetop