裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
……そう、父親に言われたからではなく、積極的に。
遼一はそう思っていた。
あの時、『しばらくあなたを監視しなきゃいけないの。和葉には申し訳ないけれど』と言った彼女は、勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
接触するなと厳命しておきながら、弁護士事務所での会談を設けたのも彼女だった。
『あなたの口からきっぱり別れを告げる方が、和葉のためになると思うのよね』
彼女の息がかかった弁護士同席のもと、遼一は直接和葉に、婚約破棄を言い渡し、さらに彼女を傷つけることになったのだ。
ここのところは、監視役というよりは通常よりも親しげな秘書の顔に戻っているが、腹の中ではなにを考えているのかわからない。当然ながら遼一の方はもう以前のように友人とは思えなかった。
『うらやましいな、福岡。連れていってくれたらよかったのに』
「もともとフライトには同乗しないだろう」
『そうですけど』
「それより、なぜこんな時間に連絡を?」
仕事の連絡かと思ったが、それにしては用件を言わない彼女を、遼一は催促する。
『業務じゃなくて、プライベートの件です。例の』
なんとなく予測していた話とはいえ、遼一は舌打ちをしたい気分になった。
婚約破棄から一年が経った頃から、副社長の座に収まった福原から歩美との結婚をほのめかせれるようになったのだ。
『欧州へ出張に行かれていた社長が、来週帰国されるでしょう。その後に私と父と四人で会えないかって』
つまりは簡易的な見合いだ。
一度はキッパリ断ったが諦めてはいないようだ。
福原は、生え抜きで取締役まで上り詰めた実力者だが、有能な分やや狡猾なところがある、ゆえに敵も多いというのが、取締役になってから会社の内情を調べた遼一が導き出した結論だ。
人望がなく、和葉の父が失脚しなければ、そしてその原因を報告したのが彼でなければ、副社長にはなれなかっただろう。
就任した今もいつ何時誰に足元をすくわれるかと恐れている。だから創業者一族である橘家と姻戚関係を結んでおきたいのだ。
父の方は、どちらでもいいのかこの件に関してはなにも言わない。
遼一はそう思っていた。
あの時、『しばらくあなたを監視しなきゃいけないの。和葉には申し訳ないけれど』と言った彼女は、勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
接触するなと厳命しておきながら、弁護士事務所での会談を設けたのも彼女だった。
『あなたの口からきっぱり別れを告げる方が、和葉のためになると思うのよね』
彼女の息がかかった弁護士同席のもと、遼一は直接和葉に、婚約破棄を言い渡し、さらに彼女を傷つけることになったのだ。
ここのところは、監視役というよりは通常よりも親しげな秘書の顔に戻っているが、腹の中ではなにを考えているのかわからない。当然ながら遼一の方はもう以前のように友人とは思えなかった。
『うらやましいな、福岡。連れていってくれたらよかったのに』
「もともとフライトには同乗しないだろう」
『そうですけど』
「それより、なぜこんな時間に連絡を?」
仕事の連絡かと思ったが、それにしては用件を言わない彼女を、遼一は催促する。
『業務じゃなくて、プライベートの件です。例の』
なんとなく予測していた話とはいえ、遼一は舌打ちをしたい気分になった。
婚約破棄から一年が経った頃から、副社長の座に収まった福原から歩美との結婚をほのめかせれるようになったのだ。
『欧州へ出張に行かれていた社長が、来週帰国されるでしょう。その後に私と父と四人で会えないかって』
つまりは簡易的な見合いだ。
一度はキッパリ断ったが諦めてはいないようだ。
福原は、生え抜きで取締役まで上り詰めた実力者だが、有能な分やや狡猾なところがある、ゆえに敵も多いというのが、取締役になってから会社の内情を調べた遼一が導き出した結論だ。
人望がなく、和葉の父が失脚しなければ、そしてその原因を報告したのが彼でなければ、副社長にはなれなかっただろう。
就任した今もいつ何時誰に足元をすくわれるかと恐れている。だから創業者一族である橘家と姻戚関係を結んでおきたいのだ。
父の方は、どちらでもいいのかこの件に関してはなにも言わない。