裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
「和葉! 和葉!」
呼びかけても反応がないことで、通話が切れていることに気がつく。画面をスライドさせて、もう一度かけるが、プープーと音がしてコールもしなくなってしまう。どうやら電源を落とされてしまったようだ。
机の上に携帯をやや乱暴において遼一は「くそ!」と悪態をついた。ここは本社の役員室。今はひとりだとはいえ、普段なら絶対にしない言動だ。そもそもここで彼女に電話をかけることだってリスキーなことは絶対にしないのに。
机の上の封筒を、遼一は苦々しい思いで睨んだ。
弁護士からの受任通知は、今朝自宅マンションのポストから出勤時に持ってきたものだ。今日は朝から案件が立て込んでいたから、目を通すのが午後になったというわけだ。
通知には、直接接触するなとあったが、なにかの間違いだと思い連絡した。福岡以来会ってはいなかったが、弁護士を挟むくらいのトラブルがあったとは思えない。
なによりあの夜ははっきりとした言葉はなくともふたりは愛し合っていたという確信があるのに。
和葉がダメなら弁護士に連絡してみようと、携帯を手にした時、扉がノックされる。
答えると、歩美が入室した。
「失礼します。橘さん、ランチはいかがいたしますか」
本社勤務の際の昼食は、彼女がテイクアウトしてくれる。
それに答えず、遼一は彼女をじっと見た。
和葉は、歩美との見合いの話を知っていた。
父と福原、そして彼女との会談は自分以外はそういう思惑があるのは承知している。和葉がそれを知っているのは、歩美が漏らしたのだろう。
彼女は、まだなにも決まっていない段階で、プライベートを言ってまわるような迂闊なことは普段ならしない。それでも和葉に告げたのは、彼女を牽制しているか、あるいは……と考えた。
当然といえば当然だが、和葉が帰国してから、歩美の監視はキツくなった。ふたりがお互いを気にしているのでは?と疑っていて、時々かまをかけられている。
コーヒーショップへ通っていたのは和葉の様子を見るためだということも疑っているのだろう。
呼びかけても反応がないことで、通話が切れていることに気がつく。画面をスライドさせて、もう一度かけるが、プープーと音がしてコールもしなくなってしまう。どうやら電源を落とされてしまったようだ。
机の上に携帯をやや乱暴において遼一は「くそ!」と悪態をついた。ここは本社の役員室。今はひとりだとはいえ、普段なら絶対にしない言動だ。そもそもここで彼女に電話をかけることだってリスキーなことは絶対にしないのに。
机の上の封筒を、遼一は苦々しい思いで睨んだ。
弁護士からの受任通知は、今朝自宅マンションのポストから出勤時に持ってきたものだ。今日は朝から案件が立て込んでいたから、目を通すのが午後になったというわけだ。
通知には、直接接触するなとあったが、なにかの間違いだと思い連絡した。福岡以来会ってはいなかったが、弁護士を挟むくらいのトラブルがあったとは思えない。
なによりあの夜ははっきりとした言葉はなくともふたりは愛し合っていたという確信があるのに。
和葉がダメなら弁護士に連絡してみようと、携帯を手にした時、扉がノックされる。
答えると、歩美が入室した。
「失礼します。橘さん、ランチはいかがいたしますか」
本社勤務の際の昼食は、彼女がテイクアウトしてくれる。
それに答えず、遼一は彼女をじっと見た。
和葉は、歩美との見合いの話を知っていた。
父と福原、そして彼女との会談は自分以外はそういう思惑があるのは承知している。和葉がそれを知っているのは、歩美が漏らしたのだろう。
彼女は、まだなにも決まっていない段階で、プライベートを言ってまわるような迂闊なことは普段ならしない。それでも和葉に告げたのは、彼女を牽制しているか、あるいは……と考えた。
当然といえば当然だが、和葉が帰国してから、歩美の監視はキツくなった。ふたりがお互いを気にしているのでは?と疑っていて、時々かまをかけられている。
コーヒーショップへ通っていたのは和葉の様子を見るためだということも疑っているのだろう。