裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
広い背中に腕を回し、しがみついて和葉は泣く。「愛してる、ごめんなさい」と繰り返して。
遼一の大きな手が何度も何度も頭を優しくなでてくれた。
一方通行の愛なんて、思っていたのが恥ずかしい。見えるものだけを信じていた、ちっぽけな自分が許せない。
彼の愛はもっとずっと大きくて、どこまで行っても和葉はその中にいた。
「おじさんの無実は証明する。やっと準備が整ったんだ。……今日はそのために、父に会いにいく」
和葉の涙を拭いながら、遼一が静かな声を出した。
「だから、歩美さんとお見合いを?」
「向こうはそのつもりのようだけど、はっきりそう言ったわけではない。ただ相手に勘づかれないように、話せる場を設ける必要があったから。まぁ利用させてもらったんだ」
その言葉に、和葉はハッとして父の文書を思い出した。
「そういえば、父から横領の件についての書類を預かったの」
鞄から出した書類を渡すと遼一が眉を寄せて一読した。
「おじさんの具合は?」
「言語障害は残ってるけど、記憶はほとんど戻ったみたい。これも直接お父さんから預かったの」
「そうか……よかった」
遼一が目を閉じて心の底から安堵したように呟いた。自分の父と距離があった分、彼は和葉の父を慕っていた。
「和葉、これを預かっていいか? 今からの会談の役に立つ」
「うん、お父さんは、遼一に渡してほしいと思う。でもね、遼一。その話し合いに、私も一緒に連れていってほしいの。口出しはしない、でもお父さんの代わりに結末を見届けたいの」
「一緒に……気持ちはわかるが、賛成できない。君に聞かせたくない言葉が飛び交うかもしれない」
言いにくそうに遼一が言った。
かもしれない、と言いながら、なにか具体的に思い当たるふしがあるようだ。
「俺はこれ以上、和葉に傷ついてほしくない」
単純に、その思いは嬉しかった。
この件ではたくさん涙を流したし、胸の傷が痛くて苦しくて眠れなかった夜もある。
それでも、と和葉は食い下がる。
遼一の大きな手が何度も何度も頭を優しくなでてくれた。
一方通行の愛なんて、思っていたのが恥ずかしい。見えるものだけを信じていた、ちっぽけな自分が許せない。
彼の愛はもっとずっと大きくて、どこまで行っても和葉はその中にいた。
「おじさんの無実は証明する。やっと準備が整ったんだ。……今日はそのために、父に会いにいく」
和葉の涙を拭いながら、遼一が静かな声を出した。
「だから、歩美さんとお見合いを?」
「向こうはそのつもりのようだけど、はっきりそう言ったわけではない。ただ相手に勘づかれないように、話せる場を設ける必要があったから。まぁ利用させてもらったんだ」
その言葉に、和葉はハッとして父の文書を思い出した。
「そういえば、父から横領の件についての書類を預かったの」
鞄から出した書類を渡すと遼一が眉を寄せて一読した。
「おじさんの具合は?」
「言語障害は残ってるけど、記憶はほとんど戻ったみたい。これも直接お父さんから預かったの」
「そうか……よかった」
遼一が目を閉じて心の底から安堵したように呟いた。自分の父と距離があった分、彼は和葉の父を慕っていた。
「和葉、これを預かっていいか? 今からの会談の役に立つ」
「うん、お父さんは、遼一に渡してほしいと思う。でもね、遼一。その話し合いに、私も一緒に連れていってほしいの。口出しはしない、でもお父さんの代わりに結末を見届けたいの」
「一緒に……気持ちはわかるが、賛成できない。君に聞かせたくない言葉が飛び交うかもしれない」
言いにくそうに遼一が言った。
かもしれない、と言いながら、なにか具体的に思い当たるふしがあるようだ。
「俺はこれ以上、和葉に傷ついてほしくない」
単純に、その思いは嬉しかった。
この件ではたくさん涙を流したし、胸の傷が痛くて苦しくて眠れなかった夜もある。
それでも、と和葉は食い下がる。