裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
憧れて目標にしていた人の口から出た言葉が、すぐに咀嚼できなかった。喉に詰まり声が出ない。
「和葉、彼女は俺の監視役だったんだ。弁護士事務所での会談も彼女の差し金だ。おそらくは、君を……傷つけるために」
遼一が彼女から和葉を庇うように立ち、低い声で囁いた。
そんなまさか、と和葉は目を見開いた。けれど今、憎悪の目でこちらを睨んでいる歩美を目の当たりにして、事実なのだと納得せざるを得なかった。
ふらふらと立ち上がる。
そして遼一が見せたくなかったのはこれなのだと理解した。彼は尊敬する先輩の裏切りに、和葉が傷つくのを避けたかった。
「和葉って本当に甘いよね。そして簡単に騙される。婚約破棄の時、遼一さんがあなたに連絡できなかったのは私が見張ってたからなの。それなのに、何も知らずに私にも再会して嬉しそうにしちゃってさ」
ひどい言葉を口にして彼女はふっと笑う。どこか投げやりな笑みだった。
「軽蔑した? 望むところよ。私、あなたが大嫌いだった。なにもできないくせに父親からも橘さんからも大切にされてて、それが当たり前だって顔してて」
そこで彼女は顔を歪めてさっきまで福原が座っていた場所を見た。
「……私は、努力しなきゃ認めてもらえなかった。男がよかった、女なんか使えないっていつもいつも言われてて。人一倍努力して、実力もつけたのに、それでも父は認めてくれなかった」
暗い目をした歩美が、今度は遼一を見た。
「……血の滲むような努力をしてたのに、それなのに、結局は和葉みたいなふわふわした子が選ばれるんだって思ったら許せなくて。だから、父から遼一さんとあなたの婚約破棄を聞いた時……」
そのまま、くしゃっと顔を歪めて首を振る。そしてもうなにも言うことはないというように出口へ向かう。
「歩美さん」
思わず呼びかけると、足を止める。
その背中に、和葉はなんと声をかければいいかわからなかった。
ひどい言葉に胸が痛い。痛いけれど事実だった。
「和葉、彼女は俺の監視役だったんだ。弁護士事務所での会談も彼女の差し金だ。おそらくは、君を……傷つけるために」
遼一が彼女から和葉を庇うように立ち、低い声で囁いた。
そんなまさか、と和葉は目を見開いた。けれど今、憎悪の目でこちらを睨んでいる歩美を目の当たりにして、事実なのだと納得せざるを得なかった。
ふらふらと立ち上がる。
そして遼一が見せたくなかったのはこれなのだと理解した。彼は尊敬する先輩の裏切りに、和葉が傷つくのを避けたかった。
「和葉って本当に甘いよね。そして簡単に騙される。婚約破棄の時、遼一さんがあなたに連絡できなかったのは私が見張ってたからなの。それなのに、何も知らずに私にも再会して嬉しそうにしちゃってさ」
ひどい言葉を口にして彼女はふっと笑う。どこか投げやりな笑みだった。
「軽蔑した? 望むところよ。私、あなたが大嫌いだった。なにもできないくせに父親からも橘さんからも大切にされてて、それが当たり前だって顔してて」
そこで彼女は顔を歪めてさっきまで福原が座っていた場所を見た。
「……私は、努力しなきゃ認めてもらえなかった。男がよかった、女なんか使えないっていつもいつも言われてて。人一倍努力して、実力もつけたのに、それでも父は認めてくれなかった」
暗い目をした歩美が、今度は遼一を見た。
「……血の滲むような努力をしてたのに、それなのに、結局は和葉みたいなふわふわした子が選ばれるんだって思ったら許せなくて。だから、父から遼一さんとあなたの婚約破棄を聞いた時……」
そのまま、くしゃっと顔を歪めて首を振る。そしてもうなにも言うことはないというように出口へ向かう。
「歩美さん」
思わず呼びかけると、足を止める。
その背中に、和葉はなんと声をかければいいかわからなかった。
ひどい言葉に胸が痛い。痛いけれど事実だった。