裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
 ハワイでの一人前サイズが日本人に大きすぎるのははじめからわかっていて、小さくする案もあった。でもそれではハワイ発!というHOPHOPらしさは失ってしまう。日本にだってパンケーキ屋はたくさんある。
 そこで啓と相談して、メニュー表とトッピングシステムに改良を加えた。まずパンケーキを実寸大の写真を載せて、ふたりでひとつくらいがちょうどいいことを周知する。そして選べるトッピングの数を増やして家族や友人とシェアするのを前提のシステムにしたのだ。
 SNSにあげる際のインパクトを大事にした手法だが、今のところ若い世代に好評で、オープンから一カ月、売上は上々だ。
 とはいえ、飲食業はそれだけでは続かない。一度食べた客にもう一度食べたいと思われてこそ安定するのだから、話題になっているうちにリピーターを増やさなくては。
 だとするとやっぱりこの場所は不利だから、街中に出店する必要がある。売り上げがこのまま伸びればその日も近い……などと考えていると。
「和葉さん、ベリーの補充しますか?」
 カウンターで横並びで立っていたアルバイト店員の仁美に問いかけられた。
 和葉はガラスケースの中を見て頷いた。
「ありがとう、お願い」
 仁美が冷蔵庫からベリーを出して少しずつ足していく。チラチラとこちらを見るのはどのくらい足せばいいのかがわからないからだ。
「そのくらいかな。あまり盛りすぎると見栄えがよくなくなるからね。お客さんが選びたくなるくらいに盛るのがコツ」
 和葉がストップをかけると彼女は頷いて、ベリーを片付ける。そして盛ったベリーをじっと見た。どのくらいがちょうどいいのかをしっかり記憶しているのだろう。彼女以外にもあと五人アルバイトを雇用してるが皆学生だから、フリーターの彼女が一番長い時間シフトに入っている。
「もう慣れた?」
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