裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
夕方に啓から連絡を受けた和葉は飲み会への参加に賛成して、樹の保育園へ連絡した。マンションから近い樹が通う保育園は二十四時間保育可能な園で、変則的な保護者の勤務に対応してくれる。
そして今まで店に立っていたから、休憩を挟んだとはいえ、十時間以上勤務していることになる。疲れていないはずがない。
こんな時はとりあえずどこかに座り少し休憩するべきだ。でも今はそんなことをしている暇はないと、和葉は自分を奮い立たせる。
午後十一時までの延長保育は、はじめてだ。夜ご飯を食べさせて寝かせてくれているはずだが、いつもと違うスケジュールに、樹は寂しい思いをしているはず。少しでも早く迎えに行かなくては。
和葉は体勢を立て直し急いですべての作業を終える。そして帰ろうと方向転換した瞬間、またくらりと目眩を感じてその場にしゃがみ込んだ。
——ガシャン!
はずみに腕がカトラリーのケースに当たり中身を派手にぶちまけてしまう。けれど拾い集めることもできず、そのままそこでじっと呼吸を繰り返す。
こんなところで倒れるわけにいかないのに、和葉が思った時。
「大丈夫か」
頭上から声をかけられて目を見開く。振り返ると、カウンターに手をついてこちらを伺うように見下ろしている人物がいる。各店舗の照明が落とされ少し薄暗い中、それが誰かに気がついて和葉はギョッとした。
遼一だ。
昼間と同じスーツ姿ではあるもののネクタイはしていない。もう帰宅するところなのだろうか。
「あっ……!」
驚いて、答えるより先に立ちあがろうとする和葉を、彼は手で制するように止めた。
「そのままでいい。今救急車を呼ぶから」
そう言ってジャケットの内ポケットに手を入れる。その仕草に和葉はまたもやギョッとして、慌てて口を開いた。
「大丈夫です。ただの立ちくらみですから」
意識もあるし救急車を呼ぶほどではない。なにより自分はこれから保育園へいかなくてはならないのだ。病院に行っている場合ではない。
そして今まで店に立っていたから、休憩を挟んだとはいえ、十時間以上勤務していることになる。疲れていないはずがない。
こんな時はとりあえずどこかに座り少し休憩するべきだ。でも今はそんなことをしている暇はないと、和葉は自分を奮い立たせる。
午後十一時までの延長保育は、はじめてだ。夜ご飯を食べさせて寝かせてくれているはずだが、いつもと違うスケジュールに、樹は寂しい思いをしているはず。少しでも早く迎えに行かなくては。
和葉は体勢を立て直し急いですべての作業を終える。そして帰ろうと方向転換した瞬間、またくらりと目眩を感じてその場にしゃがみ込んだ。
——ガシャン!
はずみに腕がカトラリーのケースに当たり中身を派手にぶちまけてしまう。けれど拾い集めることもできず、そのままそこでじっと呼吸を繰り返す。
こんなところで倒れるわけにいかないのに、和葉が思った時。
「大丈夫か」
頭上から声をかけられて目を見開く。振り返ると、カウンターに手をついてこちらを伺うように見下ろしている人物がいる。各店舗の照明が落とされ少し薄暗い中、それが誰かに気がついて和葉はギョッとした。
遼一だ。
昼間と同じスーツ姿ではあるもののネクタイはしていない。もう帰宅するところなのだろうか。
「あっ……!」
驚いて、答えるより先に立ちあがろうとする和葉を、彼は手で制するように止めた。
「そのままでいい。今救急車を呼ぶから」
そう言ってジャケットの内ポケットに手を入れる。その仕草に和葉はまたもやギョッとして、慌てて口を開いた。
「大丈夫です。ただの立ちくらみですから」
意識もあるし救急車を呼ぶほどではない。なにより自分はこれから保育園へいかなくてはならないのだ。病院に行っている場合ではない。