裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
 啓がむっとしたように反応した。普段の彼は温厚だが、酒に酔っていて少し自制が効かなくなっているようだ。
「言葉の通りです。小さなお子さんがいらっしゃる状況で、彼女に負担がかかりすぎているのでは……と」
「だから、それあんたになんか関係ある?」
「関係はありませんが……」
「あの、今日はありがとうございました」
 どんどん不穏になっていくやり取りを和葉は慌てて遮った。このまま噛み合わないやり取りをしていては揉め事になりかねない。
 そこへ啓の携帯が鳴る。
 遼一を睨みながら取り出して画面を確認した啓は、パッと笑顔になった。すぐに画面をタップする。
《ケーイ!》
 女性の声が聞こえてくる。ハワイにいる彼の友達だ。
「啓くん、叔母さんには私からも相談してみる。大丈夫だから、おやすみ」
 もう行っていいよという意味を込めて和葉が言うと、啓はチラリと遼一を見て首を傾げる。大丈夫か?という意味だ。しっかりと頷いて見せると、安心したように階段を上っていった。
 一方の遼一はますます怪訝な表情になる。啓が和葉の夫だと思っているのだから、なぜ違う部屋へ帰っていくのだと思っているのだろう。
「すみません。とりあえず、中に入っていただけますか」
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