裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
かつて彼にされたことを思い出しながら捲し立てるようにそう言うと、彼は苦々しい表情で口を噤む。睨む和葉を、しばらくじっと見ていたが、やがてふうっと息を吐いた。
「……その必要はない」
そしてジャケットの内ポケットから携帯を取り出した。
「もう遅いから今夜は帰る。君が冷静な時にもう一度話を聞かせてもらう。今の番号を教えて」
「もう話すことはありません」
「さっき君は礼はまた後日と言ったはずだ。連絡先を知らないのに、どうやって礼を?」
鋭く切り返されて言葉に詰まる。
仕方なく、和葉が番号を告げると、遼一が自分の携帯をタップする。同時に床の上に置いたカバンの中からムーンムーンという振動音が聞こえた。
「連絡は必ずこちらの携帯に入れてくれ。会社の方と弁護士には今日のことは絶対に口外しないように」
その言葉に和葉は頬を歪める。
やはり彼が樹の父親について知りたがっているのは、体面を保つためなのだ。
どこまで失望させられればいいのだろう。
いやそもそもこの後に及んでまだ幻滅していることがおかしいのだ。彼が最低な男だということは、もうとっくに、嫌というほど知っているはずなのに。
「また連絡する」
一方的そう告げて、和葉が答えるより早く、彼は部屋を出ていった。
静かに閉まったドアの前で、和葉は立ち尽くした。
頭がガンガンとして、心臓がキリキリと痛む。怒りと失望でどうにかなってしまいそうだ。
『あの弁護士さんに頼んで合意書でも書かせたらどうですか?』
一矢報いるつもりで、自ら放った言葉に、自分自身の傷跡を引っ掻かれたような心地がする。やっと傷が塞がって痛みを感じなくなっていたのに、また薄皮が剥がれそうになっている。
ムーンムーンとスマホの振動音が聞こえて鞄から携帯を取り出す。
啓からのメッセージだった。
友達との通話が終わったのだろう。
大丈夫だった?という問いかけと、和葉に負担がかかりすぎているのがわかったから、やっぱり叔母に人材の補充をお願いすると書いてある。限界だったのは確かだから、お願いと返信する。
「……その必要はない」
そしてジャケットの内ポケットから携帯を取り出した。
「もう遅いから今夜は帰る。君が冷静な時にもう一度話を聞かせてもらう。今の番号を教えて」
「もう話すことはありません」
「さっき君は礼はまた後日と言ったはずだ。連絡先を知らないのに、どうやって礼を?」
鋭く切り返されて言葉に詰まる。
仕方なく、和葉が番号を告げると、遼一が自分の携帯をタップする。同時に床の上に置いたカバンの中からムーンムーンという振動音が聞こえた。
「連絡は必ずこちらの携帯に入れてくれ。会社の方と弁護士には今日のことは絶対に口外しないように」
その言葉に和葉は頬を歪める。
やはり彼が樹の父親について知りたがっているのは、体面を保つためなのだ。
どこまで失望させられればいいのだろう。
いやそもそもこの後に及んでまだ幻滅していることがおかしいのだ。彼が最低な男だということは、もうとっくに、嫌というほど知っているはずなのに。
「また連絡する」
一方的そう告げて、和葉が答えるより早く、彼は部屋を出ていった。
静かに閉まったドアの前で、和葉は立ち尽くした。
頭がガンガンとして、心臓がキリキリと痛む。怒りと失望でどうにかなってしまいそうだ。
『あの弁護士さんに頼んで合意書でも書かせたらどうですか?』
一矢報いるつもりで、自ら放った言葉に、自分自身の傷跡を引っ掻かれたような心地がする。やっと傷が塞がって痛みを感じなくなっていたのに、また薄皮が剥がれそうになっている。
ムーンムーンとスマホの振動音が聞こえて鞄から携帯を取り出す。
啓からのメッセージだった。
友達との通話が終わったのだろう。
大丈夫だった?という問いかけと、和葉に負担がかかりすぎているのがわかったから、やっぱり叔母に人材の補充をお願いすると書いてある。限界だったのは確かだから、お願いと返信する。