【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「ごめんなさい、フランク。なぜかここ数日、リオがこんな感じで……」
「えぇ、僕は気にしておりませんから。やはり、母親と一緒にいたいんでしょうね。では、こちらの荷物を預かります」
 フランクはシアが手にしていた荷物をさりげなく手に取り、そっと笑いかける。
 シアもそれに笑顔で応えた。
「ありがとうございます、フランク。では、コリンナ、シェリー。また明日」
「今日は本当にありがとう、シア」
 コリンナとシェリーに見送られ、シアはフランクと並んでモンクトンの屋敷を後にする。外に出れば、夕暮れの心地よい風が吹いてきて、シアの前髪を弄ぶ。庭園に咲く花も、身を任せていた。
「無事に終わって安心しました。フランクも今日は、学校のほうをみてもらったみたいで……ありがとうございます」
「僕も久しぶりに子どもたちと触れ合えて、元気をもらいましたから」
 こうやってのんびりと歩いていると、先ほどまで王太子と一緒にいたことが夢のように感じる。
「あれ……?」
 フランクの声に、シアも真っすぐに視線を向ける。
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