【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 だが、なりふりなんてかまっていられなかった。
 狙いはランドルフかボブかわからない。だが、どちらもこの国にとっては、重要な人物だ。今、どちらかが亡くなれば、この国の経済は大きく傾く。
 早く彼らのところへ行かなければ。
 大広間の扉の前には、ランドルフの護衛の騎士が立っていたが、ジェイラスではない。彼は近衛騎士団長といっていたし、もっと王太子に近い場所で護衛についているのだろう。
 今は見張りの騎士に状況を説明する時間すら惜しい。
 シアは、使用人たちが使う裏の出入り口へと回る。
「あら、シア?」
 料理を手にしている給仕の女性は、突然、姿を現したシアに驚きつつもにこやかに声をかけてきた。
「もしかして、手伝いにきてくれたの?」
「シッ! 私のことは気にしないでください」
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