【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
唇の前に指を立て、無視するようにと指示を出す。シアの真剣な表情に、彼女もコクコクと頷き、料理を手にしたままそこに立ち尽くす。
向こうからは見えないように柱の影に立って呼吸を整えたシアは、大広間を見渡した。
大きなテーブルを囲んでボブとランドルフが歓談に耽っている。コリンナとシェリーの姿も見えた。それからモンクトン商会の幹部たちも、グラス片手に語り合っている。
吹き抜けの大広間の二階はギャラリーになっている。そこにモンクトン商会で扱っている商品を並べているのは、宣伝も兼ねているため。
大広間の隅にはランドルフの護衛の姿がちらほらと見えたが、侵入者に気づいている様子はない。
それよりも先ほどの商人風情の男は本当に侵入者なのか、本当にここに現れるのか、杞憂であったらいいと、シアはそんなことを願う。
しかし、ギャラリーのカーテンが不自然に動いたのをシアは見逃さなかった。
その位置から王太子が座る場所まで、遮るものは何もない。
「殿下、伏せてください」
向こうからは見えないように柱の影に立って呼吸を整えたシアは、大広間を見渡した。
大きなテーブルを囲んでボブとランドルフが歓談に耽っている。コリンナとシェリーの姿も見えた。それからモンクトン商会の幹部たちも、グラス片手に語り合っている。
吹き抜けの大広間の二階はギャラリーになっている。そこにモンクトン商会で扱っている商品を並べているのは、宣伝も兼ねているため。
大広間の隅にはランドルフの護衛の姿がちらほらと見えたが、侵入者に気づいている様子はない。
それよりも先ほどの商人風情の男は本当に侵入者なのか、本当にここに現れるのか、杞憂であったらいいと、シアはそんなことを願う。
しかし、ギャラリーのカーテンが不自然に動いたのをシアは見逃さなかった。
その位置から王太子が座る場所まで、遮るものは何もない。
「殿下、伏せてください」