【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「殿下、安全なところに」
 騎士の一人がランドルフの手を取り、立たせた。
「殿下、申し訳ございません。別室に案内いたします」
 ボブは落ち着いているように見えるが、その顔は青白い。
 指示が飛び交う中、ランドルフを彼の護衛に預けたシアは、一気に階段を上がってギャラリーへと向かう。
 そこにはすでに何人かの騎士がいたが、それよりもぽっぽちゃんが侵入者をくちばしで攻撃している。
 侵入者はヘバーリア語で、ぽっぽちゃんに向かって悪態をついていた。
 以前にもこんな光景を目にしたような気がする。ぽっぽちゃんが悪党をこらしめる姿だ。
「取り押さえろ!」
 ジェイラスの言葉に、その場にいた騎士たちが侵入者を拘束した。
 それを見送ったとたん、シアの目の前が真っ黒に染まる。
「アリシア!」
 知らない名を叫ぶジェイラスの声に、シアの心は一瞬ざわついたものの、そのまま意識を失った。
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