【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「申し訳ありません」
 ジェイラスは頭を下げたが、ランドルフは手を振ってその言葉を遮った。
「そういうことで会長。今回の件は、我が騎士団の落ち度だ」
 その口調は、話をここで終わらせることを明確に示していた。
「さて、そろそろ我々はお暇しよう。ジェイラスはここに残り、彼女の治療を続けてくれ。毒による後遺症が残っては大変だ。会長、彼を残していく。万が一のことがあっても、彼がいれば問題ない」
 そうは言っても、ランドルフが領主館に戻る間、ジェイラスも同行せざるを得なかった。その後、彼は一人でモンクトン商会の屋敷に戻ってきたのだ。
 アリシアが目覚めるまで、ボブの執務室で彼と話をしていた。
 ボブは、シアについて教えてくれた。
 シアという名前は、コリンナとシェリーが彼女をそう呼んでいるだけで、本名かどうかはわからない。知能も運動能力も高く、驚くほど多才な彼女だが、自身の過去については何も覚えていない。
 それでも、彼女はシェリーの命の恩人であり、記憶を失った彼女を見捨てることはできなかったとボブは言う。
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