【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 ランドルフが、ぽんぽんとジェイラスの肩を叩いた。
「とりあえず、おまえはシア嬢の怪我が治るまで、ここにいろ。その後、彼女を王都へ連れてこい」
「そ、それは……俺とアリシアの結婚式の……?」
「ではない。それより先にやることがあるだろう? 彼女の記憶を取り戻す」
 その言葉でジェイラスもはっとして、気を引き締めた。
「それについては、モンクトン商会の会長も気になることを口にしていたのです」
 アリシアの記憶は魔法によって奪われたのではないかと。記憶の失い方が不自然だと医師が言い、記憶を取り戻すには、時間がかかるだろうとのことだった。
「なるほどな。私もその考えには同意する」
 そういえばランドルフも、アリシアの記憶喪失については気になると言っていた。
「仮に彼女がアリシア嬢だったと仮定した場合、騎士団の伝令係だったことを考えれば、騎士団の機密情報も知っているのだろう? 手紙でやりとりできない内容を、口頭で伝えるように依頼していたのではないのか?」
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