【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「テリーのことなら、みんな知っているはず……」
 一昨年まで養護院で暮らしていたテリーは、子どもたちにとって頼れる兄のような存在だった。今も養護院にいる子どもたちは、きっと彼を覚えているだろう。
 シアはそう確信すると、自然と笑みがこぼれた。
「今日から先生が三人もいらして、本当に喜ばしいことです」
 院長は喜びを隠しきれない。
「あ、シア先生。十歳までの子たちの授業ですが、三つに分けましょう」
 テリーの提案に、シアは首をひねる。
「三つ?」
「はい、僕が教える、シア先生が教える、ジェイラス先生が教える。教師役が三人いるから、子どもたちも三つに分けて、それぞれ順番で教えていけばいいですよね?」
「そうですね。では、それでいきましょう」
 教え子がこうして隣に立ち、同じ志を持ってくれることの心強さを、シアは初めて実感した。
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