【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「あっ。ごめんなさい、起こしてしまいました?」
 シアは慌てて謝ったが、ジェイラスは穏やかに首を振った。
「いや、こちらこそすまない。なんだか居心地がよくて、ついうたた寝をしてしまった」
 彼の素直な言葉に、シアはティーセットを手にした。
「いえ。もう少し時間がかかりますから、まだ休んでいてください。お茶も出さずに申し訳ありません。……飲まれますか?」
「そうだな。いただいてもいいか?」
「はい」
 シアはジェイラスの前にお茶の入ったカップを置いた。それを手にしようとした彼は、膝の上に乗っていたヘリオスの頭をそっとどかす。
「こぼして火傷させたら大変だからな」
 そういった些細な気遣いが、シアの心をくすぐる。
「ヘリオスはよく寝ているな」
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