【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 男は一気に空気を吸い込み、激しく咳き込んだ。涙目でジェイラスにすがるような視線を向ける。
 必要な情報は聞き出せそうだ、とジェイラスは内心で頷いた。
「どこの組織で、誰の指示か、聞き出してくれ。素直に話さないようなら、身体に覚えてもらうだけだな」
 ジェイラスは男の足の甲をガツンと蹴り、鋭い痛みを刻みつけると、男は小さくうめいた。
 ホーガンも深く頷く。先ほどまでのへらへらした雰囲気は、すでに彼から感じられない。
 ホーガンがヘバーリアの言葉で尋ねると、男は震えながらも素直に答える。それをいちいちジェイラスに伝えることなく、ホーガンはさらに男を追い詰める。
 だが、三つ目の質問で異変が現れた。
「あ……がっ……ががっ……」
 男が苦しそうに首に両手をかけ、顔をゆがめた。ホーガンが忌々しく舌打ちをする。
「くそ、やられた!」
「何をだ?」
「恐らく、こいつの雇い主がこいつに魔法をかけてる。雇い主について話をしたら、命を奪う魔法。まぁ、魔法というよりは呪詛だね」
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