【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 心底嫌そうな顔をするホーガンを見れば、ジェイラスもため息をつきたくなる。
 この男の命が失われた今、それがどんな理由であっても、ヘバーリアには連絡をしなければならない。「あなたの国の人間が、ここで亡くなりましたよ」といった内容だが、ヘバーリアはすぐに「ユグリの人間が殺したのではないか」と疑いの目を向けてくる。だからそうではない証明をしなければならないのだが、その手続きが面倒を極める。
 外交大臣が証明書類を手がけてくれるが、もれなく小言もついてくる。証明書類を作るためにも、監察を行い、呪詛による死と結論づけなければならない。
「っていうか、これって……僕が師匠に怒られるパターンだよね?」
 うわぁと、ホーガンは頭を抱え始めた。
「いやだいやだいやだ……ってことで、僕、帰るわ」
 ジェイラスは冷ややかな視線を向ける。
「わかった。だが、これも連れていけ……」
 死体を示したジェイラスの声に、ホーガンが肩をすくめた。
「はぁ……あれかな。馬には体力強化の魔法をかけたほうがいいやつ?」
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