【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
その日の昼食の味などさっぱりとわからない。
「おいしいね」
ヘリオスが喜んで食べているのを横目に、シア自身は食欲がまったく湧かなかった。ジェイラスが心配して、食べやすそうな果物を取り分けてくれたが、それを二口食べただけで胸が詰まった。
ガネル子爵夫妻と顔を合わせる時間が刻一刻と近づく中、シアの心臓も送り出す血液が沸騰しているのではと思えるくらい、熱く鼓動を鳴らす。
彼らとの顔合わせの場所は、王城内にある客室の一つ。
「シア、緊張しているのか?」
ヘリオスを抱いたジェイラスが、扉の前に立ったシアを、やさしく見下ろしてきた。だが、その眼差しで心がふっと軽くなる。
「それはしていますけど……」
ジェイラスとの軽口でさらに緊張は和らいだ。
ふぅ、と息を吐いて胸を張る。この扉を開けたとき、それがシアの人生の分かれ道のような気がした。
「おいしいね」
ヘリオスが喜んで食べているのを横目に、シア自身は食欲がまったく湧かなかった。ジェイラスが心配して、食べやすそうな果物を取り分けてくれたが、それを二口食べただけで胸が詰まった。
ガネル子爵夫妻と顔を合わせる時間が刻一刻と近づく中、シアの心臓も送り出す血液が沸騰しているのではと思えるくらい、熱く鼓動を鳴らす。
彼らとの顔合わせの場所は、王城内にある客室の一つ。
「シア、緊張しているのか?」
ヘリオスを抱いたジェイラスが、扉の前に立ったシアを、やさしく見下ろしてきた。だが、その眼差しで心がふっと軽くなる。
「それはしていますけど……」
ジェイラスとの軽口でさらに緊張は和らいだ。
ふぅ、と息を吐いて胸を張る。この扉を開けたとき、それがシアの人生の分かれ道のような気がした。