【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
5.
「俺がアリシアに会ったのは、そんなときだ。君が伝令係として、俺のところにやってきた。だが、日頃の無理がたたり、君の前で倒れてしまった。気がついたら、こうやって君が頭をなでてくれていた……」
やはりシアには覚えのない話だ。
「父には君のことを伝えてある。自分は結婚に失敗したくせに、人には結婚しろとうるさかったからな」
「そうなんですね……」
「父も反対はしない。そこは安心してほしい」
「どうしてですか? 身分も見目も、ジェイラスさんと釣り合うとは思えないのに……」
「俺が選んだ女性だからだ……」
そこで彼は気持ちよさそうに目を閉じた。これ以上、話すことはないとでも言うかのように。
だが、シアの心臓はぎゅっと鷲づかみにされたくらいに苦しかった。この感情を知っている。これは嫉妬。シアは過去のアリシアに嫉妬している。
ジェイラスは、シアを通してアリシアを見ていた。ずっと彼女を求めていた。シアではない。
やはりシアには覚えのない話だ。
「父には君のことを伝えてある。自分は結婚に失敗したくせに、人には結婚しろとうるさかったからな」
「そうなんですね……」
「父も反対はしない。そこは安心してほしい」
「どうしてですか? 身分も見目も、ジェイラスさんと釣り合うとは思えないのに……」
「俺が選んだ女性だからだ……」
そこで彼は気持ちよさそうに目を閉じた。これ以上、話すことはないとでも言うかのように。
だが、シアの心臓はぎゅっと鷲づかみにされたくらいに苦しかった。この感情を知っている。これは嫉妬。シアは過去のアリシアに嫉妬している。
ジェイラスは、シアを通してアリシアを見ていた。ずっと彼女を求めていた。シアではない。