【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 先ほどジェイラスに触れられた場所がまだ熱く、身体が疼いた。
 どうしたら自分に自信が持てるのか、それがわからなかった。
 記憶を取り戻せばいいのか。騎士団に復帰すればいいのか。
 そんな感情に振り回されるのも、彼に愛されたいからだ。そして、彼にふさわしい人物でありたい。今のシアを見てほしい。
 ヘリオスの鼓動を感じ、やっと心が凪いできた。重くなる瞼に抗わず、うとうととし始めたとき、寝室の扉が開いたのを感じた。
 ジェイラスの足音が近づいてくる。昨日もこうやって三人で寝たのだから、不思議ではない。
 届きそうで届かない記憶と恋慕をもどかしく思いながらも、シアは睡魔に負けた。
< 292 / 375 >

この作品をシェア

pagetop