【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 ブルーノの語尾が沈んでいき、ちらちらとランドルフを横目で見やる。
 ジェイラスの役目はランドルフの護衛という名の監視だ。そのジェイラスが抜ければ、
ランドルフの破天荒な行動を抑える者がいなくなる。そうなったとき、副団長のチェスターがその穴を埋める。
「ブル、心配しないで。今、髪の毛が元気になる魔法をね、開発している途中なの。だから、うまくいったらチェスターに使ってあ・げ・る」
 ランドルフの命令によりジェイラスがアリシアを探すことで、チェスターの髪が危ぶまれている。
 だが、エイミの魔法がそれのとどめを刺しそうで怖かった。
「ホーガン。エイミを頼んだ……」
 ジェイラスが切実な声で訴えるが、ホーガンもふるふると首を横に振った。先ほどのやりとりを見ても、彼がエイミにかなわないのはわかっている。
 だがジェイラスとしてはチェスターの髪よりもアリシアのほうが重要だ。これでアリシアを探す許可が下りたから、堂々と動けるはず。
「では、俺はアリシアを探しに動きます」
< 322 / 375 >

この作品をシェア

pagetop