【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 それはフランクが二人の関係をぐっと縮めてこようとし始めた、その時期と重なる。
「宿主を殺してはならない。宿主に魔法は効かない。そして宿主を弱らせてはならない」
 だからシアが呪具に守られていると、フランクは言ったのだろう。
「あのときは焦りましたよ? まさか王太子をかばって、シアが毒矢をうけるとは……」
 まさかあれにもフランクが関係していたとは。
 だが、怪しい商人に裏口を教えたのはフランクで、ボブのサインが本物だと口にしたのもフランクだ。
 シアはフランクの言葉を頭の中でかみ砕き、状況を整理する。
「私を王城から、誰にも気づかれずにここまで連れてきましたよね? 王城内では私にも人がつけられていたはずです。よく彼らに気づかれずに……」
 ヘリオスと外に出ると視線を感じた。その視線の主をはっきりと確認はしなかったが、恐らくジェイラスがつけた護衛なのだろうと、勝手に思っていた。
「だから、呪具には呪具で対抗します。王城にいた人間が、シアを認識しないよう呪具を使いました」
「今もその呪具を?」
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