【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「ヘバーリアで、私がこの呪詛を解いてもらった後、私をどうするつもりですか? 今のフランクの話を聞いていたら、呪具を取り出すためだけに私を生かしているようにも聞こえたので……」
 むしろそうとしか聞こえない。
 だが、ここで呪詛を解除した後に殺す、だなんて言われたらたまったものではない。そうであれば絶対にヘバーリアへは行かない。むしろ、そうであったとしても言葉を濁して答えるはず。
 フランクは、視線を宙にさまよわせてから答えた。
「あぁ、特に考えていませんでした。そうですね、僕と結婚しますか? 本当はこちらでシアと結婚して、そのままヘバーリアに連れていく予定だったのですが。まぁ、順番がかわっても何も問題ありません」
 フランクがシアに近づいたのは、ヘバーリアに連れていきたいためで、結婚はその手段だったのだろう。今の彼からは、なんの恋情も感じない。
 だというのに、この場で結婚すると口にする彼の心理は理解できない。
 フランクの無機質な笑みに、得体の知れない寒気が走る。
< 339 / 375 >

この作品をシェア

pagetop