【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「きっと僕とシアの子なら、かわいいと思うんです。ヘリオスはちょっと生意気になってきて、手にあまるんですよね。だからヘリオスはここに置いていきます。ヘリオスがいなくてもいいでしょう? シアも若いし、すぐに子を授かりますよ?」
 頭をがつんと殴られたような感覚だった。この感情が怒りなのか悲しみなのかむなしさなのか、それすらわからない。
「もし、私がヘバーリアに行かないと言ったら?」
「この期に及んで、そのようなことを言うんですか? そうですね……シアには魔法が効かないから、呪具を使うしかない。あぁ、そうだ。あの呪具なんかどうかな。男が欲しくてたまらなくなる呪具があるんですよ。馬車で移動中、ずっと僕が慰めてあげます。こう見えても僕、シアのことは気に入ってるんです」
「結構です」
 シアは冷たく言い放った。
「なるほど。では、ヘバーリアまでは時間がありますから、この後のことはゆっくり考えましょう」
 そこでフランクは、エスコートするかのようにシアに手を差し出した。
 しかしシアは、その手をパシンと叩きつける。
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