【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「はいはいはい、イチャイチャしている時間はないわよ」
「おい、ノックしてから入ってこい」
「あたしは、ノックしましたぁ。イチャコラに夢中で聞こえなかっただけではないんですかぁ?」
 いつもと変わらぬ様子で、今日も豊満な胸元(偽物)を強調しているのはエイミだ。
「ほんと聞いてよ、恋人ちゃん」
 エイミはシアのことを恋人ちゃんと呼んでいる。
「っていうか、本当に相手がジェイでいいの? 後悔しない? この男から逃げるなら、このあたしが手を貸してあげるわ」
「とか言いながら、俺とシアの仲を引き裂きたいだけだろ?」
「あら、ばれちゃった? だって、ジェイにはもったいないんだもん。こんな男と別れて、あたしのところにこない?」
「どさくさに紛れてナンパするな!」
「いやぁねぇ? 冗談よ、冗談。心の狭い男は嫌われるわ、ね?」
 二人のやりとりの勢いに押され、シアはぽかんと眺めていた。
「よぅし! 良い感じに緊張も解れたみたいね」
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