【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「え?」
 今までのくだらないやりとりは、シアの緊張を和らげるためのものだったのか。
「はい、恋人ちゃん。あたしの指を見てね」
 真っ赤に塗られた爪から目が離せない。その赤い爪をゆらゆらと揺らしながら五角形を描き、さらに対角線を結んで星形を作る。そして星形はシアの額に吸い込まれていった。
「……あっ」
 記憶の波が押し寄せてきた。頭の中に降り注ぐ光が、記憶の蓋をこじ開ける。
「あぁ……」
「アリシア」
 そのまま崩れそうになるアリシアの身体を、ジェイラスが抱きとめた。
 額が熱くて、頭が割れるように痛い。
「よし、ゲット!」
 エイミがパシンっと何かを奪い取った。
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