【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 三年前のアリシアは弱かった。着飾ってジェイラスの隣に立ってみたものの、彼と釣り合っているとは思えなかった。
 それにジェイラスは、他の令嬢からも声をかけられ談笑を楽しんでいるというのに、アリシアに声をかけようとする男性はいなかった。
 それもあり、自信が消失していたところにジェイラスからの言葉。
 ――俺たちの子が殿下の子を護衛する。それに憧れがあるんだ。
 だから子を産んでくれる女性であれば、誰でもいいのだと思ったこと。
 さらにジェイラスは、アリシアに対して決して好きだとか愛しているとか、言ってくれなかったこと。
「え? 俺、シアに言ってない? 好きだって」
「三年前は……」
「すまない……心の中では何千回も叫んでいた」
 今になってしれっとそのようなことを言われ、アリシアもどう答えたら良いかがわからない。
「それに、誤解を与えたならすまない。俺の子がランドルフの子の護衛……まぁ、今であればヘリオスがアンドリュー王子の護衛につくのが夢だというのは、俺にとってランドルフの存在が生きる意味だったからだ」
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