【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 だがジェイラスは、彼女との結婚を考えており求婚した。しかしその後、彼女は騎士団を休職し実家に帰ってしまったと正直に書いた。自分に至らぬ点があったのだろうか、と。
 それからまた、ジェイラスは彼女の足取りが掴めないものかと考えた。まだ王都にいるのであれば、すぐに見つかるだろう。それだけ王都内では騎士が目を光らせている。
 王都から出たと仮定した場合、乗り合い馬車を使うのが一般的だ。アリシアが実家に戻るとしたら、経由地点のサバドに向かうはず。
 自ら調べたいジェイラスであったが、これから新婚の王太子夫妻の護衛につかねばならない。蜜月と言える甘い二人の護衛につくのは、この状態ではかなり辛い。しかし仕事は仕事。
 そう割り切りながらも割り切れない自分がいる。
 部下の一人に、今日のサバドに向かう馬車の名簿を調べておくようにだけ伝えた。
「おやおや、ジェイラス。暗い顔をしてどうしたのかな? 私たちが結婚をしたら、愛しの恋人に求婚するとかなんとか言っていなかったか?」
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