【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 だがシアにとって、ヘリオスは愛らしい息子だった。父親が誰であろうが関係ない。
 ヘリオスを出産した後、シアはお世話になっていたモンクトン商会の屋敷を出て、養護院近くの小さなアパートメントで暮らすようになった。それはシア自身、いつまでもモンクトン商会に甘えていてはいけないというけじめのつもりでもあった。
 それでも幼いヘリオスを抱えて養護院での仕事は大変なものである。そこで、モンクトン商会に頼んで、仕事中はヘリオスを預かってもらうことにした。
 ときには、ヘリオスも養護院で一緒に剣術に励むこともある。
「まま~」
 養護院での仕事を終え、ヘリオスを迎えにモンクトン商会の屋敷に向かうと、ヘリオスがとてとて走ってやってきた。彼の後ろにはコリンナとシェリーの姿がある。
「お帰りなさい、シア」
「まま、おかえり」
「ただいま。ヘリオスはお利口にしていたかしら?」
「リオ、おりこうよ。シェリー、あそぶよ」
 二歳になったヘリオスの口調はまだたどたどしいものの、意味は通じる。
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