【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 大衆紙とは娯楽や噂話を取り上げる新聞のことだ。労働層には好まれているのは知っているが、コリンナが読んでいるのは意外だった。
「私だって商会長夫人ですから」
 商売をしていくうえでは必要な情報だと言いたげだ。
「シアも読んでみればいいのよ。ただの噂話だと思って侮ってはいけないわ。そこから商売のヒントになることだってあるのだから」
 貴族令嬢だったコリンナだが、結婚して数年が経ちすっかりと商人気質になったらしい。こちらに嫁いですぐは、お嬢様気質が抜けなかったようで苦労したとも聞いている。
「そうですね。すべての情報を鵜呑みにしない。情報を見極める力も必要ですね。今度、大衆紙を使った授業でも……?」
「あら、それは面白そうね。そのときは私も生徒として教えていただくわね。よろしく、先生」
 そんなやりとりをしていると、ヘリオスがシアの手をぎゅっと握りしめてきた。
「まま、おなか、ぺこぺこよ」
「そろそろ帰ります。今日もヘリオスを見てくれてありがとうございました。シェリーも一緒に遊んでくれてありがとう」
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