【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 大人げなかったとでも言いたげなその口調に、シアも口元をほころばす。
「いえ……騎士様が本気を出してくださったからこそ、子どもたちにも思うところがあったようです」
 そう言ってから彼の手を取った。
 剣術の授業が終わり、子どもたちはそれぞれ帰って行く。王太子がボブや院長と話をしている間、養護院の子どもたちは、そのまま騎士たちを囲んでいた。
 鍛えられた身体をベタベタと触っている様子を目にしたときは、シアもヒヤヒヤしたものだが、騎士、自ら腕まくりして筋肉自慢していたので、問題ないだろう。
 子ども好きな人たちでよかったと、そんな気持ちで満たされていた。
「シア!」
 いつもであればシアも帰る時間だからだろう。
 ヘリオスを抱いたフランクがシェリーを連れて迎えに来ていた。
「ヘリオスが、ぐずってしまって……」
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