【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 だからママのところにいこうと、フランクが連れ出してくれたらしい。フランクに抱っこされているヘリオスは「あ~あ~」と不機嫌な声をあげている。
「リオ、泣いてばかりなの」
 シェリーも今にも泣きそうな顔をしている。
「ありがとう、二人とも。シェリー、パパとママは、今、院長先生たちとお話をしているみたい。もう少しで終わると思うから」
「シェリーはお姉さんよ? そのくらい、待っていられるわ」
「シェリーと一緒に僕がいるから。シアはリオを連れて早く帰ったほうがいいよ。会長たちには僕からも伝えておくし。それに、いつもなら帰る時間だよね?」
 フランクからシアの腕にうつったヘリオスだが、泣いていたのは一目瞭然で、頬に乾いた涙の跡があった。
「もう、リオ。どうしたの?」
 鼓動を感じるようにヘリオスを抱き寄せると、少しは落ち着いたのか、声色が変わった。
「どうやら、ママがいなくて寂しかったみたいだね」
< 98 / 375 >

この作品をシェア

pagetop