呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

 流石に姿を変えられた後の姿でも、そこにいるのが自分の娘だと気付いた皇帝は、ラシェルに向かって大声で叫んだ。

「お前はラシェル! ラシェル・デルヴァンクール! カレバメリア帝国の皇女だ!!」

 ぜえ、ぜえ、と肩で息をする皇帝。
 青ざめているラシェル。
 何が起きているのか分からない聴衆。

 この状況にエスティリオは、我慢できずに笑ってしまった。

「くくっ……今自分で、彼女を指さしながら皇女だって……。あははは! ラシェルは死んだって、さっき言ってなかった?」

  皇帝の言う通り、ラシェルは死んでいない。
 本人もなぜ自分が死なないのかと、震えながら身体を見ている。

「エスティリオ……私……?」
「もう大丈夫だから」

 ラシェルの側に寄り髪を撫でると、瞳から更に涙がこぼて落ちてきた。
 
「おい……どうなっている? 名も身分も言ったのになぜ死なない?! なぜ死なないんだ!!?」
「何でかなのかは僕が聞きたいくらいだ!! 薬は完璧に仕上げたはずなのに」
 
 皇帝に胸ぐらを掴まれ詰め寄られ、ブリアンは逆ギレしている。
 見苦しいったらない。
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